日本刀についてNihonto
日本刀をもつには
日本刀は、日本が世界に誇る文化遺産です。現在は法律によって、登録証の付いている刀剣=美術品と認定され、特別に定められた場合を除いて誰でも所持することができ購入できます。現代に新しく制作された刀剣も、制作した刀匠が1振りずつ各都道府県の教育委員会に届けを出し、登録証を発行して頂きます。所持する方にライセンスなども必要なく、美術刀剣として購入することが可能です。
刀剣の海外持ち出しについては刀剣に付いている登録証を文化庁へ返納し、輸出監査証明を発行して頂ければ海外へ持ち出すことが可能です。海外に持ち出す際は輸出先の国に日本刀の所持について決り事などがないか必ず事前にご確認下さい。
御刀の手入れCare of the sword
日本刀の手入は、御刀を鑑賞した後、長期間鞘に入れて保管しておく場合に刀身が空気と接触することをさけるために、刀身に油を塗り錆が生じるのを防ぎます。より良い保存のためには、年に1,2回の手入れを勧めます。数回練習をして慣れれば誰でも簡単にメンテナンスすることが可能です。
手入れ道具としては、次のものが必要となります。(セットで販売されています。)
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古い油を拭き取ったり、打粉を拭き取るために使う。2枚必要。ネル生地や保湿成分のない良質なティッシュペーパーなども代用できます。
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油を取るためのもの。細かい砥石の粉末が主原料。最近では上記の代用品として特殊合成繊維の布(エクセーヌ)で打粉を使用せずに手入れを行うことも可能です。
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刀身が空気に触れないように被膜を作る。
- ❶植物油(椿油)酸化しやすく割れ鞘には危険。
- ・ 脱酸素剤として働く。
- ・ 水分、塩分を吸収し、クリーナーとしての働きをもつ
- ❷鉱物油(流動パラフィン) 長期間、変質しない。
- ・ 脱酸素剤の効果がない。
- ・ クリーナーとしての働きをもたない。
- ❶❷を目的に応じて選択して使うと効果的
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刀身に油を塗るためのもの(ネル生地など)
鑑賞をする為にまずは刀身を鞘から抜き、柄の部分も目釘を抜いて外します。刀身に付いている油をまずはきれいな和紙やティッシュなどで軽く拭い、その後打ち粉を打ってさらに拭います。油が拭いきれたら鑑賞をします。鑑賞が終わるとホコリや錆の原因を断つ為に、打粉を打って拭う行為を2~3回程度行い、刀剣油を付けたネル生地を使い刀身全体に薄く油を塗布します。新しい作品は茎にも軽く油を付けておくときれいな状態が保たれます。最後に鞘に刀身を鞘に収めて保管します。
刀の手入れや鑑賞方法、その他の日本刀について詳しくは、全日本刀匠会発行の「写真で覚える日本刀の基礎知識」などをご参考下さい。
刀鍛冶になるにはHow to become a swordsmith
「刀を作りたい」という強い思いがあっても、だれでも勝手に刀が作れるというわけではありません。現在の法律によって、日本では登録証の無い刀剣類は、所持できません(前述)。所持することができる刀を作ることができる資格が、美術刀剣類製作承認(刀匠資格)です。
この資格を得るには、次のことをすべて満たしている必要があります。
- (1) 美術刀剣類の製作承認を持つ刀匠のもとで、5年以上技術の練磨に専念して刀剣類の製作担当者として十分な技術を習得したことをその刀匠が証明する。
- (2) 各都道府県の刀剣登録審査委員2名以上が保証した者である。
- (3) 文化庁長官の行う刀剣類の製作に関する研修を受け、終了している。
現在のところ、作刀を勉強できる学校はありません。刀匠への弟子入り修業による技術習得によってのみ開かれる道です。
刀鍛冶を志望される方は「全日本刀匠会」もしくは「月山日本刀鍛錬道場」へご連絡下さい。