月山貞利は昭和二十一年、二代貞一の三男として生まれました。大学在学中から父の仕事に触れ、卒業後に刀工月山家の跡を継ぐことを決心します。昭和四十四年文化庁の作刀承認を受けた後は高松宮賞、文化庁長官賞、寒山賞など数々の賞を受賞し、三十六歳にて新作名刀展無鑑査に認定。大阪月山家の五代目として綾杉鍛えや月山彫を継承すると共に各伝に通ずる力作を多く残し、独創的な鍛刀や刀剣彫刻にも積極的に挑戦しています。寺社の御神刀や横綱土俵入りの太刀、ボストン美術館やニューヨークメトロポリタン美術館からも刀剣が所望されるなど国内外で活動の幅を広げ、最近では海外からの来訪や注文も年々増えています。また多くの弟子を輩出し、後継者の育成にも注力しています。現在、奈良県指定無形文化財保持者、全日本刀匠会顧問。
1946年 | 人間国宝月山貞一の三男として大阪に生まれる |
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1969年 | 大阪工業大学建築学科卒業、師貞一に就く |
1975年 | 新作名刀展、高松宮賞受賞(その他特賞多数受賞) |
1982年 | 新作名刀展無鑑査に認定/米国ボストン美術館での「日本の人間国宝展」/師貞一に同行、同館にて約1ヶ月の公開鍛錬 |
1983年 | 刀匠月山貞利展(大阪) |
1988年 | 大阪市立博物館「出羽三山と月山刀工展」/米国ボストン美術館「月山歴代とその伝統展」/太刀一振りボストン美術館へ寄贈 |
1989年 | 奈良県立文化会館「八百年の伝統月山歴代展」 |
1990年 | 刀匠月山貞一・貞利展(東京日本橋髙島屋) |
1993年 | 刀匠月山貞利展(東京日本橋髙島屋) |
1995年 | 奈良県桜井市茅原に月山記念館開設/全日本刀匠会会長就任(現顧問)/文化庁主催刀匠技術保存研修会講師就任/横綱貴乃花関の太刀謹作 |
1996年 | 奈良県立美術館「人間国宝刀匠月山貞一回顧展~その技と伝統」出品 |
1997年 | 刀匠月山貞利展(東京日本橋髙島屋) |
1998年 | 横綱若乃花関の太刀謹作 |
2001年 | 刀匠月山貞利展(東京日本橋髙島屋) |
2003年 | 春日若宮社御神宝太刀謹作/奈良県指定無形文化財保持者認定/奈良新聞文化賞受賞 |
2004年 | ニューヨークメトロポリタン美術館御用命御刀謹作(貞利・貞伸合作)/刀匠月山貞利展(東京日本橋髙島屋) |
2006年 | 警視庁総監賞の短刀謹作(昭和58年も同作)/台湾高雄国立科学工芸博物館「古代兵器展」出品 |
2008年 | 刀匠月山貞利展(東京日本橋髙島屋)/大阪歴史博物館「生誕百年人間国宝刀工月山貞一とその一門」展出品 |
2010年 | 奈良市美術館「刀工月山貞利と月山一門」展 |
2011年 | 刀匠月山貞利展(東京日本橋髙島屋) |
2013年 | 横綱白鵬関の太刀謹作/第62回伊勢神宮式年遷宮御料太刀謹作(第61回も謹作) |
2014年 | 刀匠月山貞利展(東京日本橋髙島屋) |
2015年 | 奈良県文化財保護功労者表彰 |
2016年 | 春日大社第60次式年造替 国宝「金地螺鈿毛抜形太刀」刀身復元謹作 秋の叙勲 旭日双光章授章 |
2017年 | 刀匠月山一門展(阪急うめだ本店)/刀匠月山貞利展(東京日本橋髙島屋)/大阪城名物刀「大江」刀身復元製作(大阪の陣の際焼失刀)/水戸徳川家「名物刀 児手柏包永」再現謹作 |
月山貞伸は昭和54年、月山貞利の長男として奈良に生まれました。幼少の頃より祖父貞一や父貞利の作刀風景を目にし、大学入学と同時に入門を決意。平成18年に文化庁より作刀承認を受け、翌19年には新作名刀展にて新人賞を受賞しました。先祖伝来の綾杉伝を受け継ぐと共に、各伝を習得する中で貞一や貞利も得意とする相州伝の技術を研鑽し、各種コンクールでも特賞や入賞を重ねています。最近ではアニメとのコラボ展や積極的に刀剣鑑賞会などを試みることで、これからの日本刀を考え啓蒙活動にも尽力しています。大阪月山6代目として今後さらなる作域への挑戦や次代を担う刀匠へと成長されることが期待されます。現在、全日本刀匠会理事。
1979年 | 奈良県桜井市生まれ |
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1998年 | 京都産業大学入学と同時に月山貞利師に入門 |
2006年 | 文化庁より作刀承認を受ける |
2007年 | 新作刀展覧会新人賞(太刀・刀の部)、努力賞(短刀・脇指の部)/お守り刀展覧会 福岡市教育委員会賞(刀身の部8席)致道博物館「歴代月山の名刀展」出品 |
2008年 | 東京日本橋高島屋「刀匠 月山貞利展」出品/大阪歴史博物館「生誕100年人間国宝月山貞一とその一門」展出品/生玉神社鞴祭 奉納鍛錬奉仕 |
2009年 | お守り刀展覧会 長野県教育委員会賞(刀身の部3席)/佐野美術館「日本刀の匠たち」に出品 |
2010年 | 新作日本刀・刀職技術展覧会 銀賞/お守り刀展覧会 特賞大阪市教育委員会賞(刀身の部3席)/春日大社「刀剣の美」展出品/奈良市美術館「月山貞利と月山一門」展出品/尼信博物館「刀工月山貞利と月山一門」展出品 |
2011年 | 新作日本刀・刀職技術展覧会 銀賞/お守り刀展覧会 さかきテクノセンター理事長賞(刀身の部4席)/東京日本橋高島屋「刀匠 月山貞利展」出品 |
2012年 | 新作日本刀・刀職技術展覧会 銅賞/お守り刀展覧会 佳作/佐野美術館「日本刀の匠たち」出品/「ヱヴァンゲリヲンと日本刀」展セカンドインパクト短刀出品 |
2013年 | 新作日本刀・刀職技術展覧会 銀賞/お守り刀展覧会 山陽新聞社賞(刀身の部7席)/「二次元VS日本刀」展出品/阪急梅田本店にて作品展示中 |
2014年 | 東京日本橋髙島屋「刀匠 月山貞利展」出品/お守り刀展覧会 大阪歴史博物館館長賞(刀身の部4席)、市民審査員賞 第1位 |
2015年 | 新作日本刀・刀職技術展覧会 特賞長野県知事賞/お守り刀展覧会 熊本県伝統工芸館館長賞(刀身の部7席) |
2016年 | テレビ東京系列「クロスロード」出演/お守り刀展覧会 特賞瀬戸内市長賞(刀身の部2席)岡山県教育長賞(総合の部2席)長野県教育委員会賞(外装の部2席)特別賞駐日ポーランド大使賞 |
2017年 | 阪急うめだ本店「刀匠月山一門展」出品/東京日本橋髙島屋「刀匠月山貞利展」出品/お守り刀展覧会 特賞熊本県教育委員会賞(刀身の部3席) |